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理巧さんにもう一つのプレゼントをもらったのは誕生日の夜だった。
終業後、夜景の綺麗なレストランへ連れていってもらえるというサプライズの際、ネックレスを渡された。
センスのよいハートのダイヤのネックレスだ。
「可愛い……ありがとうございます」
「着けようか?」
彼は席を立ち、私の後ろへ回るとネックレスを着けてくれた。
「ありがとうございます」
「どういたしまして。似合ってる」
そう低い声で耳元で囁かれ、身体が一瞬で熱を持つ。
身体を重ねたのはまだ一度だけ。
なのに、まるでその時のことを思い出す。
「ありがとうございます」
彼の優しく笑う笑顔に胸がキュンとする。
「それから、なつき」
「……はい」
「もう一度、プロポーズさせて」
彼がそう言ってすぐ、スタッフが色とりどりのバラを持ってきて、彼に差し出した。
“もう一度……?”
プロポーズにも驚きなのに、二度目ということにさらに驚く。
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