未来へのステップ

21/23

67人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「……理巧さん、ありがとうございます」 「いや、本当……綺麗すぎて見惚れる」 「……そんな」 理巧さんがあまりにもうっとりした視線を向けるので、恥ずかしくて俯いてしまう。 理巧さんが近付いて、私をさらにまじまじと見つめる。 「綺麗だ」 「言い過ぎですよ」 「いや、本当にそれしか出ない……」 照れるよ。 スタッフが気を利かせたのか少しの間二人きりにしてくれた。 「俺は幸せだな。こんなに綺麗な奥さんをもらえるなんて……ありがとう」 “奥さん”という台詞に胸がいっぱいになる。 幸せなのは私だ。なんだか泣きそう。 「私も幸せです。ありがとうございます」 「これからよろしくな」 「……はい」 彼に優しい笑顔を向けられると、プロポーズの時のように胸が高鳴る。 大好きだ。 そして彼のありがとうは胸をじんとさせた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加