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動揺していた原口さんだったけれど、彼女と並んでいる時の原口さんは私たちの前にいる時に比べ子供っぽくて、楽しそうだった。
先に子供ができてしまったけれど、これから家族を大切にして三人分頑張ると、色んな人に話しているのを見て、きっと原口さんなら大丈夫な気がした。
なんだかんだでマジメな人だから、と理巧さんも隣でホッとしていたように思う。
大丈夫でなかったのは私だ。
理巧さんの友人に質問攻めにあい、恐怖ではなくひどく困った。
理巧さんとの出会いや二人の時の彼の様子や好きなところ、などなぜか興味津々に尋ねられ、たじろいだ。
「なつき、ちょっとこっちおいで……」
そう言って彼は私をテラスに連れ出してくれた。
後ろから“ヒュー”とひやかしの声が聞こえたけれど。
パーティ会場から彼に連れ出されたのは、二度目だ。
思えば、あの日から私は理巧さんを意識していたように思う。
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