はじまりの夜

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佐藤さんに連れられて来た店は、コジャレたダイニングバーで、大衆居酒屋的なものを想像していた私は少したじろいだ。 なんだかデートで使えそうな店だ。 「焼き鳥の美味しい店って言ってませんでした?なんだかオシャレ」 「言ったよ。ちゃんとここの美味しいんだよ、行こう」 佐藤さんは笑うと私の背を押し、店内へ誘う。 予約をしていたようなので、すんなり席に着けた。 中二階があるもののこじんまりとしており、白壁で天井の高い店内は雰囲気がある。 「中もオシャレですね」 佐藤さんはふっと笑うと「ビールも色々あるぞ」と、ドリンクメニューを見せる。 私のことをよくわかっている彼だ。 可愛らしく見せようとセーブしなくてもいいから楽。 今夜はスパイシーな気分。 私は一番辛味のあるビールを注文した。
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