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買い物中はずっと手を繋いでいて、やはり付き合っているような気になる。
今日も一緒にいてくれる彼のことを期待してもいいのだろうか。
服、帽子、靴とお互いの好みの店を一通り回った後だった。
「飯島さん、明日の予定は?」
春立さんの台詞に胸は高鳴る。
「……え?」
「明日、何にもなければ家、来ない?」
期待通りの質問。拒むわけがない。
“うんうん”と二度頭を縦に振り、春立さんの腕をギュッと掴んだ。
「ん、じゃあ今晩は食材買って、何か家で作ろうか」
「はい……!」
カートを押し、食材を買うのはまるで新婚カップルのようだ。
どうしようもなく、浮かれる。
買い物後、ショッピングモールを後にした私たちは、もう一度私の家に寄り、お泊まり道具を手にした後、彼の家に行った。
夜はお好み焼き。
大勢でわいわい焼くのがこれまで楽しいと思っていたけれど、好きな人と二人で食べるお好み焼きは最高だ。
野菜をカットする時の真剣な顔、率先してお好み焼きをひっくり返してくれるところ、焼けるまでの間、キスをしかけて私をドキドキさせるところ。
知らない彼の面にますます惹かれていく。
そして彼は今夜も“奈々”と呼びながら、私を優しく、激しく抱いた。
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