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だけど、私たちの関係に名前はない。
好きな人と週末時間を共にする。
それは楽しいことであるはずだが、今の状態は苦しい。
“付き合おう”とか“好きだ”、とかたしかな言葉を彼はくれない。
ーー曖昧な関係。
食事デートをし、身体を重ねる。
相変わらず、私を抱く時だけ名前を呼ぶ彼に切なさを抱きながらも悦んでいる私もおり、聞けずにいる。
“もし、予定があると断り続けたら?
別の相手を探してしまうの?”
ーー怖い。
彼の優しい手が誰かのものになるなんて考えたくない。
彼の心を試すこともできぬまま、ひと月が過ぎた。
もちろん、輪島さんとのことも聞けていない。
二人は親しそうに談笑を始めた。
見たくない。
嫌な感情が沸き上がってしまう。
“輪島さんとも関係を持ったの?
本命は輪島さんだったりして……”
二人を見ていると、忘れたい現実を思い出す。
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