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会いたかった。
そう思っていたぶん、春立さんの顔を目に入れた瞬間、飛び付きたくなるくらい心が喜ぶ。
彼の下へ駆ける足も軽い。
「春立さん、すみません。来てくれてありがとうございます」
「ううん、会えて嬉しいよ」
“本心?”
疑うけれど、喜びが大きい。
軽い足取りで車に乗り込む。
シートベルトを締めてすぐ、彼がキスをしかけてきた。
甘いキス。
彼の唇が唇から離れると、春立さんのシャボンの香りがふわっと漂った。
「さて、どうする?どっかで夕食食べよっか?」
春立さんは私の予定がなくなった理由も聞かない。
普段通り。
それでも今は春立さんがいることがなにより嬉しい。
「今日は春立さんのお家で食べませんか?」
彼の腕をギュッと掴んだ。
彼が欲しい。
その意思が伝わったのか、彼は「了解」と言って、車を発進させた。
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