74人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日、風邪を引いた。
身体が重い。
会社を風邪で休むのは初めて。
身体が強い方である私の欠勤の連絡に上司は驚いていたが、現在体温は38度越えている。
完璧に風邪だ。
昨夜は自分がどうやって家まで帰ってきたか覚えていないほど動揺していて、泣きながら眠りについた。
春立さんが輪島さんと過ごしていると思うとたまらなくて、苦しくて、何をしていても涙が出たけれど、今もまだ考えると泣きそうである。
これまで彼氏との別れも経験してきたけれど、これほど悲しくなかった気がする。
輪島さんには、女としても仕事も、何もかも敵わない。
というより、初めから同じ場所にも立てていなかったのだ。
輪島さんは“彼女”。
私は“都合のいい女”
もうじゅうぶんに理解した。
けれど、春立さんを好きな気持ちは簡単には消えそうにないから苦しい。
どうしてこんなに好きになってしまったのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!