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どうしようもなく春立さんに恋に落ちている私の頭には、彼のことでいっぱい。
春立さんにとって私は、そうでないというのに。
これからどうすればよいのだろう。
同じ会社。休日以外毎日顔を合わせる人だ。
突然スルーなんてできない。
でも、これまでのように普通にできる気も今はしない。
“好き好き、と愛情をむき出しにアタックし続け、振り向いてもらうまで頑張る?
それともここで引くべきなのか……。”
今後の自分のことを自問自答する。
何度考えても後者がいいに決まっている。
それはとてもつらいこと。
だが、前者を選んだとしても苦しさが寄り添う。
同じだ。
「キツイよ……」
枕にまた一つ涙がしみる。
腕を目元に置き重みを与えた時だった。スマホがメッセージを受信した。
職場からかもしれない。
そう思いスマホを手にして画面を覗く。
“奈々ちゃん、風邪引いたんだって?
大丈夫?”
メッセージの送り主は春立さんだった。
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