揺れる恋心-2

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“昨日、家に来ました?” 彼が顔を上げた時、尋ねようと思った。 けれど、春立さんの視線は私に向くことはなく、他社員も乗っていることから、声をかけられないまま、エレベーターをおりる。 完璧にタイミングを逃した。 一応と上司らに、私の家に来たのか尋ねたけれど、皆、来てないと答えたので、春立さんの線が濃厚になる。 だから、春立さんに尋ねたいとますます思うのだけれど、なかなか彼を捕まえられない。 それは退社時間まで続き、ようやく休憩室にいる春立さんを見つけた。 「はるた……」 休憩室に足を一歩踏み出し、彼を呼ぼうとした時だった。 「栞は何飲む?」と、いう輪島さんの声が邪魔をした。 彼女は自販機の前に屈んでいて、私から死角の位置にいたのだ。 また、輪島さん。 三日前のことを忘れたわけではない。
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