揺れる恋心-2

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佐藤さんは“こんなところで何をしてるんだ?”という表情で私を見つめていたが、察しのいい彼だ。 中の様子に気が付き、「下行く?」と言った。 一つ下のフロアにも同じ休憩室がある。 「……あ」 休憩室に用があったわけじゃない。 春立さんに用があったのだ。 「ほら、行こうぜ」 佐藤さんが私の肩をポンと叩いた。 どうせ、春立さんと輪島さんの中には入れないのだ。 佐藤さんと並び休憩室から離れることにした。 その時だ、春立さんと輪島さんが外に出てきて、二人が私たちと向かい合わせに立つ位置に来た。 春立さんと視線がぶつかる。 けれどすぐに彼の視線は佐藤さんに向けられる。 春立さんは無表情。 佐藤さんも、もちろん私も。 「お疲れさまー」 笑顔なのは輪島さんだけ。
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