揺れる恋心-2

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私はぎこちない笑顔を作る。 けれど、輪島さんと並ぶ春立さんの姿を見つめるのが辛くて、視線を下に落とした。 ーー嘘。 どうして、見つけてしまったのだろう。 すぐに後悔を覚えたのは、彼女の薬指に昨日はなかった指輪がキラリと煌めきを放っていたから。 “まさか、春立さん……?” 二人は昨日会っていたはずだ。 大本命じゃない……。 胸が苦しくなる。 この場にとてもいられない。 「あ、私、飲み物買ってきます」 きっと妙な抜け方。 逃げるように、休憩室に入った。 きっと、私の家に来たのは春立さんではなかったのだろう。 でも、もう誰でもいいとさえ思う。 「買わねーの?」 自販機の前に立ち尽くす私は滑稽に見えたに違いない。 「……へ」 「先、俺買うぞ?」 軽く笑みを浮かべた佐藤さんに再び顔を覗き込まれた。
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