迷いの中で-2

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やはり夢を見ているのだろうかーー。 春立さんと共に会社を出て、彼の隣を歩いている自分が信じられない。 “ゆっくり話したいから、家に来ない?” その一言に頷き、彼の家に向かっている。 色々聞きたい。 けれど、彼と二人きりになってからーー。 だから歩いている時も、電車の中でも彼とは会社の中でするような他愛のない話をした。 きっと春立さんも同じつもりだったのだろう。 「散らかってるけれど、どうぞ」 「お邪魔します」 久しぶりの彼の部屋。 しゃぼんの香りを感じた。 「コーヒー淹れるね」 「ありがとうございます」 私は輪島さんの形跡を探してしまう。 部屋を密かに見回したけれど、女性ものの品物は目の届くところにはないように見える。
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