迷いの中で-2

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「熱いから気をつけてね」 私用にと買ってくれたカップを差し出された。 それだけで胸が震える。 「ありがとうございます」 「うん」 春立さんは人一人分のスペースを空けて、私の腰の下ろすソファに座った。 毎回家にお邪魔する時は距離がゼロだった。 違和感。 「奈々ちゃん」 春立さんは私のことを色んな呼び方をする。 そこも彼のつかめないところ。 “今はどういう気持ちーー?” 春立さんを控えめに見つめた。 「ずっと、曖昧にしてごめん」 「……」 “フラれるのーー?” 彼の瞳が頼りなく揺れるので不安になる。
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