迷いの中で-2

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三度すべて、春立さんだろうか。 無視できない私がいる。 気になるのだ。 「佐藤さん、私……やっぱり春立さんと話をしたいです」 「……どうして?二股するような男だろ?」 「……」 たしかにそう。 そうだけれど、まだ春立さんの本意を知らない。 「……きっと出ないと後悔します」 すると佐藤さんは私をきつく抱き締めた。 とても離れられない強い力だ。 「佐藤さん……」 「後悔したらいいよ」 「え」 「今夜は行かせない」 佐藤さんはそう言うと、私の首に顔を埋めた。 スパイシーな香りをより感じる。 「飯島、好きだ……」 泣きそうな声。 彼の想いが痛く伝わる。 泣きたいくらい誰かを想うその気持ちは、わかるつもりだ。
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