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「最悪だ……」
今度は自分のタイミングの悪さに泣きたくなる。
春立さんとは縁がないのだろうか……。
こんなに、好きなのにーー。
春立さんの家に行ってみようか……。
あの日の嫌な光景を思い出したけれど、勇気を出して春立さんの家へ向かった。
ーーピンポン。
春立さんのマンションはオートロックなので、入れるのはエントランスまで。
タイミングよく住人が現れたので、紛れて入ろうかとも思ったが、やめておいた。
それに、応答しないため、まだ帰っていないようだ。
マンションを出て植え込みを囲むレンガの上に軽くお尻を乗せて待つ。
待つこと40分が過ぎる。
彼は現れない。
一度帰宅して電話をかける方が確実な気もしてくる。
彼の行動バターンを全く知らないことに気がつく。
「私、ダメじゃん……」
帰ろう。
駅までの道をゆっくり歩く。
春立さんにバッタリ会えたら運命かもーー。
そんなことを期待していたけれど、現実は優しくない。
寂しく帰宅した。
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