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「奈々ちゃんの将来のことを考えると“付き合って”の一言が言えなかった」
「どういうことですか?」
やっぱり意味がわからない。
「奈々ちゃんと真剣に付き合ったら、絶対離せなくなると思ったから」
今度は何なのだ。
「……春立さん、さっきから意味がわかりません」
私の心を喜ばせたり、落ち込ませたり、謎過ぎる。
わざとだろうか、と疑うほど彼が発する言葉には波がある。
「ごめん」
「いえ……」
素直に謝られても困るだけ。
ちゃんと説明してよーー。
彼を強く見つめる。
「奈々ちゃん今の仕事好きだよね?」
「え?えぇ……」
マーケ部の仕事は好きだ。
マーケティングの仕事は売るための道作り。
私が主にしているのは既存のサービスや商品の改良だが、自分のアイディアが発揮できると嬉しいもの。
やりがいは感じていると思う。
「でも、どうしてそんなこと……」
「うん……」
春立さんが難しい顔を見せる。
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