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「わっ春立さん!」
唯ちゃんが目を丸くして口に手を当てた。
「ここいい?」
春立さんは私の横の席を指差す。
「はい、どうぞ」
椅子を引くと、彼は「サンキュ」と爽やかな笑みを見せた。
「奈々は日替わりか」
彼はチャーシューメンだ。
「はい。今日はごめんなさい。お弁当作れなくて……」
この頃では彼の分まで弁当を用意することが増えた。
だが昨日はなかなか遅くまで残業をしており、今朝起きられなかったのだ。
「いいよ。もう少ししたら毎日食べられるし」
笑顔を向けられると、うっとりしてしまう。
「お二人、ここでイチャイチャは禁止ですよー」
唯ちゃんの声にまたしてもハッとした。
彼女はじとっとした視線を私たちに向けている。
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