黄昏時

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海辺の町…ここへ来てもう半年が過ぎた… 自然豊かな山々に囲まれるような町が残っているのは珍しい…もうほとんどの町が都市開発で近未来化しており、もしかしたら大半の人間はこうした自然の風景を生で見たりはしていないのかもしれない… 人はこれを美しいというらしい。 残念だが私が思えるのは木々のある森と波打つ海の見える町という客観的な見方だった。 人はなぜ美しいと言った自然をわざわざ捨て去ってしまうのだろう…それ以上の便利さなどこうした自然が作り出すものに変えられないのではないのか… そうは言っても、そうした未来化の中で私は生まれたのだから…自身の存在否定もしかねるのだった。 ここに来た理由は 見飽きた風景から去りたく 海という珍しき光景を一度は見て見たかった。 それに感情を抱かないとしても…。
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