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秘密基地は裏山をずっと奥に入ったところにある広場だ。 山道をしばらく進み、木々が一層茂っている獣道をかき分けかき分け進むと、突如視界が開ける。それが、広場に着いた合図だ。 広場は小さな公園ほどの面積で、シロツメクサの花が一面に咲いている。 周囲を木々に囲まれているからか、広場は静寂に包まれており、都会の中であるのに、耳を澄まさなくとも、鳥の声や風の音が良く聞こえる。 中心には立派な桜の木が鎮座し、広場の主といった風体だ。 はじめてこの木を見たときには、その存在感に圧倒された。 立派な木であるのに、優美で、はかなげな印象も併せもつ、不思議な木だ。 僕たちはいつもこの桜の木の下で語り合ったり、読書をしたりしていた。
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