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資料を見ていて、ひとつ気になったことがあった。海藤はその文面を見て、小首をかしげた。
被害者がビー玉を握っていたという内容だ。
ダイイングメッセージだろうか?
ビー玉? なぜビー玉?はて……
「先ほど、新しい情報が入った。その資料を配る。回してくれ」
係長の声は先ほどよりも勢いが増していた。朗報を知らせるような響きがあった。
「平井橋から南、同じ旧中川にかかる江戸川橋の高架下で、被害者の鞄が発見された。その中から日記帳が見つかったんだが」
係長がうっすら舌舐めずりした。
「学校でイジメに合っていたこと。殺されるかもしれないと毎日書いていたこと。そして、主犯メンバーの名前が書かれていた」
講堂内の捜査員達がにわかにざわついた。
資料には、堂本しずるをイジメていたと思われる三人の名前が記載されてあった。
西脇愛美
鈴木弥生
藍田順子
三者とも、被害者の堂本しずると同じクラスの生徒だという。日記の内容の概略もあった。
イジメの内容を見て、海藤は口元を押さえた。
金銭の要求や、暴力をはじめ、堂本しずるを裸にして、背中をライターで炙るなど、あまりにも卑劣な行為が書かれてあった。胸くそ悪くなる思いがして、海藤は顔をしかめた。
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