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海藤は講堂を出て、生活安全課のデスクで事務作業を終えると、スマートフォンを取り出した。
椅子にもたれながら、スマートフォンのテレビを点ける。
ニュース番組は、今回の事件でにぎわっていた。
墨田区、女子高生殺人事件
クラスメイトのイジメが原因によるものか!?
赤字のテロップは、事件を煽っていた。
コメンテーターは渇いた口調で、淡々とイジメ問題に対するコメントを吐き出していた。
ネットやツイッターではすでに、藍田、鈴木、西脇に関する情報が洪水のように流れていた。
彼女達の顔写真や住所までもが、拡散されていた。個人情報はもはや風のように誰のもとにも届いていく。
プライバシーを失った時代だ……海藤は小さくため息を吐いた。
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