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ある日の朝方、修一は朝飯の調達にとスーパーの裏口をうろついていた。 大きな道路を挟んで向こうのバス停には、通勤のサラリーマン達が立ち並んでいる。 するとその中に、和美の姿が見えた。 和美が修一に気づくと、手を大きく振り出した。 すると修一は顔をそらして、背中を向けた。 駄目だ駄目だ。 これ以上、親しくしてはいけないんだ。 修一はその場を立ち去り、裏路地を抜けようとした。するとその時。 ガシャンッ! 大きな音と共に、数人のけたたましい叫び声がこだましたのだ。 修一が慌てて路地を引き返すと、バス停があった場所にダンプカーが突っ込み、外壁のブロックを粉々に砕いていた。 白い煙が立ち込めて、数人が横倒しになっている。 「和美!」 思わず修一は駆け寄った。 横手にある交番からは、数人の警官が飛び出して来て、野次馬をけん制している。 「もうすぐ救急車が来ますから!」 そして朝の通行は、一時遮断された。 「駄目ですよ!余り近づかないで」 警官に押し戻されて修一は動揺した。 「娘が、娘がいるんだ!」 その時サイレンが鼓動の音の様に、ドクッドクッと近づいて来た。
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