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修一は、歩道をよろよろと歩いていた。 腹に巻き付けたタオルが血で滲んでいる。 「痛たたっ。傷口が開いたかな、ふふっ」 痛いのに何故か笑ってしまう。 こんな俺も、やっと父親らしい事が出来たんだ。 修一は満足していた。 和美が助かって本当に良かった。 修一は足を引きずりながら、やっと森林公園に辿り着いた。 すだれを上げて、自分の寝床に転がり込んだ。 「痛ててっ」 タオルを外すと、思ったより出血しているようだ。 別のタオルを探して、腹に巻き直した。 「少し眠ればなんとかなるさ」 医師には俺の素性を知らせない様に頼んである。 上手くドナーがいたと誤魔化してくれと。 和美に俺の素性を知られて不幸にさせたく無い。 そして和美がここに来る事も、もうないだろう。 これで良かったんだ。 掛け違えたボタンは、もう元には戻せない。 過去を変える事など出来ないのだ。 和美、どうか幸せにな。 やけに喉が渇く、、。 ああ、何だか眠くなってきたなあ。 そして修一は背中に血溜まりを作ったまま、静かに目を閉じた。 終わり
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