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崩壊した壁の穴から、玲がぶっ飛んできて、反対側の壁に叩きつけられた。その後で、ゆっくりと鏡子が姿をあらわす。
鏡子がこちらを見つつ、両手を広げると、廊下の壁、床、天井が全て鏡に変わり、そのまま全体に広がった。廊下全体が、鏡の筒の様になり、万華鏡の中に居るみたいな感覚に陥いる。
鏡子が、こちらに向かって歩いてくるが、ハロルドが私を守るように、前に立ちふさがる。
「アヤノ……、とにかく鏡のないところまで、逃げろ……」
私を見ることもなく、ハロルドが囁く。
「鏡のないところって……、あんたはどうするの……」
慌てて辺りを見回しながら、気付いた……。ハロルドが……、鏡に映っていない……。
「アイツに、僕は倒せない」
うあがぁっぁぁっぁああああ!!
鏡子の謎の叫び声ともうなり声ともつかぬ発声に合わせて、鏡の中に化け物の集団が一斉に現れた。その数は、ざっと見て、数百体規模……。
現れた化け物の何体かは、鏡から歩み出て実体化していく。
実体化した化け物たちは、なんとなく見たことのある顔ぶれ……。行方不明になっていた、生徒や教師たちだ。
鏡子とゾンビ化した親衛隊。鏡から抜け出て実体化した、先生や生徒たち。鏡の中にも黒い無数の人影……。
囲まれた、ハロルドと私……。
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