14人が本棚に入れています
本棚に追加
私には同じクラスで好きな男子がいる。彼は、高校3年生、部活は剣道部、趣味はボルダリング、血液型は……などと彼の事は人並み以上には知っている。彼との出会いは、小学生の頃で、あの頃は一緒に遊んだりしたが、中学生になると同時に、少し壁ができてしまった。そして高校生になってからは、1回も話すことができずもう少しで卒業を迎えてしまう。彼はイケメンで性格も良く、クラスや学校内でとても人気がある。私は
(この先もずっと彼と一緒にいたいなぁ。)
そんなことを思いながら、ベッドの上で携帯を見ていた。 ふと棚の上が気になり、見てみる『願いが叶うナイフ』と書かれた箱が置いてあった。
(こんなのあったんだ。)
箱の中を開けてみると1本のナイフと紙が入っている。最初はナイフに目がいってしまったが、その横にある紙を取り出して見てみる。その内容とは、子供の字で
「人を殺すとその人の願いが叶えられます。」
と書かれたものだった。気味が悪くなりその箱を明日捨てようと思い、玄関に置いておいた。そんな時、友達の友子からメールが来た。友子とは同じクラスメイトで、私の友達の1人だ。そのメールの内容は
「明日用事ある?なければ1時に家に遊びに行っていい?」
というものだった。うん!きてきて!楽しみにしてる!」
とメールを送り返した。正直、友子の事は嫌いだ。私は自分の容姿があまり好きではない。そのため、自分に自信がなく、内気になり、頼まれたら断れない性格をしている。それを知った上で、友子は私のことをいじめている。教科書を盗まれたり、髪を燃やされたり、1番ひどかったのは家に遊びに来た時に親の金を盗まれた事だ。
(どうせ家に来る理由は金がなくなったから奪いに来るのだろう)
とため息をした。友子との悪い思い出ばかり考えてしまい
(死ねばいいのに。)
一瞬思ってしまった。
約束の日、友子は10分前から到着して家の前で待っていた。その姿を2階の窓からにらみつけ、1時丁度に迎えに行った。
「おはよー友子!待った!?」
「待ってないよ!早く中入ろう!」
「うん。」友子は何をするか分からないから少し警戒をしていた。友子は家に入ると私の部屋に座り、私はお茶を出そうと台所に向かった。お茶を注ぎ終わり、部屋に戻ろうとする。部屋に入った瞬間、友子がいきなり立ち上がり
「ごめん。今、親が倒れたってメールがきて、帰らなきゃいけなくなった。」
「え!?」
「また今度遊ぼ!」
最初のコメントを投稿しよう!