魔法のナイフ

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警察を呼ぼうと電話をしようとした時、彼の顔が思い浮かんだ。私が捕まればもう彼と一緒にいる事ができない。今の高校3年生が最後のチャンスかもしれない。このナイフで自分の願いを叶えるために、もう取り返しがつかないところまで来ている。私が弱い自分を捨て、彼に告白しようと決心した瞬間だった。 そのあと、父と母の死体は風呂場に入れた。 (彼と話せるかなぁ。いつ?どこで?かなぁ。) などと考えながら眠りについた。朝になり学校に向かう。御守りとしてナイフはリュックの中に入れてた。教室に入り、彼を見つける。 「おはよう!」 「あぁ、おはよう。そういえば友子ってまだ行方不明なんだけど知らない?」 「知らないよー!」 「あっ、そうなんだ。」 彼は何だか元気がなさそうだった。ナイフの効果もあり、自身をつけたため思い切って遊ぶ約束をしようと話題を持ちかけた。 「そういえばA町に新しく遊園地できるみたいだよ!昔みたいにさ遊びにいこうよ!」 「おぅ……行くか。」 「んじゃ今学校抜け出して行かない?」 「今?んじゃ行くか……」 何があったか知らないけど彼に元気がない。 (私が勇気をつけるために楽しませよう。) 遊園地までは学校から歩いて30分かかる。その歩いてる間私は彼女気分を味わいたくて思い切って彼の手を握った。そしたら彼の手は少し震えていた。彼の顔を見ると、どことなくこっちを見ないようにしていた。不思議そうに見つめる私、彼の事は私が1番知っている。彼の好きな映画やスポーツの話題を話しかけた。そして、1回も目が合わないまま遊園地に到着した。 「何乗ろっか!?やっぱり最初はメリーゴーランドとか!?」 「乗るか。」 (彼が私に合わせてくれる。これもナイフのおかげかな!) 楽しい時間はあっという間に過ぎ日が暮れてしまった。最後に観覧車に乗ろうと中に入った。 そしたら、今まで自分から話してこなかった彼から話しかけて来た。 「なぁ」 「ん?なに!?」 「友子がさ死んだ日にお前何してたんだよ?」 「家にいたよ~」 「その日友子はお前に会いに行くって言ってたんだよ。」 「何で友子死んだって知ってるの?」 彼の表情が固まった。私はじっと見つめて彼が何を言うのかを待った。物音一つしないこの空間の中で彼の口が開いた。
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