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走り書きのメモに目をみはる。懐かしい名前だった。
智子と同じく彼女もソフトボール部の仲間で、気の置けない友人の一人である。
用件は智子の結婚についてだろうと察しはつく。彩子は食事を終えると、とりあえず自分の食器を洗い、電話をかけるために自室に引っ込んだ。
『はい、雪村です』
携帯電話から聞こえる懐かしい友の声。相変わらずの低音だ。
「電話ありがとう。久しぶりだね、雪村」
なぜか上ずってしまう彩子だった。
『ホントだな、高校を卒業して早や6、7年か? 智子が結婚するって聞いて驚いたよ。チームのメンバーん中では3人目だね。あいつは最後だと思ったんだけどなあ』
ソフトボール部に所属した同級生のうち既に2人が結婚している。
2人とも20歳くらいで学生結婚したと聞いた。
卒業後はあまり付き合いがなく疎遠になっているが、どこからか伝わってくるのだ。
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