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「大丈夫よ! ここにいる皆を誰だと思ってるの。あんたの親友、盟友、仲間達よ。何でも言ってみなさい、さあさあ」
なにごともハッキリさせたいエリが、相談の内容を催促する。楽しんでいるように見えるのは、やはりお酒のせいだろうか。
だが、エリのいうとおり、この四人なら信用できる。
意を決して、今の状況を話してみることにした。
「と、言うわけなんだけど……」
彩子が話し終えると、まずエリが唸った。
「う~ん。彩子らしい出会いだね」
どういうことだろう。
彩子が黙っていると、彼女は続ける。
「うん、いいんじゃない。今の時点ではその男、合格ね。私、基本的に男は信用しないけど、その人は人として信用できる気がするわ」
「ええっ、本当にそう思う?」
昔から男性を見る目が厳しく、慎重なエリである。そんな彼女に前向きな意見を貰えて、彩子は嬉しくなった。
「甘いね」
雪村が横から異を唱える。
エリに負けず劣らず他人を見る目がシビアな彼女の切込みに、彩子はドキッとする。
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