イブのお見合い

26/31

2282人が本棚に入れています
本棚に追加
/543ページ
「大丈夫よ! ここにいる皆を誰だと思ってるの。あんたの親友、盟友、仲間達よ。何でも言ってみなさい、さあさあ」 なにごともハッキリさせたいエリが、相談の内容を催促する。楽しんでいるように見えるのは、やはりお酒のせいだろうか。 だが、エリのいうとおり、この四人なら信用できる。 意を決して、今の状況を話してみることにした。 「と、言うわけなんだけど……」 彩子が話し終えると、まずエリが唸った。 「う~ん。彩子らしい出会いだね」 どういうことだろう。 彩子が黙っていると、彼女は続ける。 「うん、いいんじゃない。今の時点ではその男、合格ね。私、基本的に男は信用しないけど、その人は人として信用できる気がするわ」 「ええっ、本当にそう思う?」 昔から男性を見る目が厳しく、慎重なエリである。そんな彼女に前向きな意見を貰えて、彩子は嬉しくなった。 「甘いね」 雪村が横から異を唱える。 エリに負けず劣らず他人(ひと)を見る目がシビアな彼女の切込みに、彩子はドキッとする。
/543ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2282人が本棚に入れています
本棚に追加