3.不協和音

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 霧島は父や他の親戚と上手くいっていなかった。決定的な何かがあったわけではないが、冷ややかな関係だったらしい。  そして、次々に死んでいった。霧島の行く先々で人が亡くなるため、「お前のせいで」と恨まれ、嫌われた。  何も感じないと無表情に言うが、自分を守るために鈍感になっているだけのような気もした。  父に引き取られたのが僕だったら、どうなっていただろう。『霧島涙』になっていったのだろうか。  想像して、胸が痛んだ。
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