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いつまで経っても悪い夢から覚めなかった。
昨日使い切ったはずの豚肉が冷蔵庫にあった。漬物も減っていなかった。
「……何だ、これ。意味がわからない」
自宅で頭を抱える。霧島は僕をちらりと見て、土産の缶を開けた。
「いりますか?」
無視すると、霧島は苦笑してチョコを口に放り込んだ。
「結論から言って、僕らはループしてますよ」
「くっだらない。非現実的だ」
「でも、それしかないでしょう?」
「……あんた、よく平気だな」
「ユイさんは繊細ですね。一日くらいどうってことないのに。ああ、そうだ。夕飯は僕が担当しておきますね」
それではと言い残し、客間に入った。
理解できない。この状況も、霧島涙も。気持ちが悪くて吐きそうだ。
それとも、僕がおかしいのだろうか。
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