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私は立ち上がって腕を組む。
先生はちょっとびっくりしたみたいな表情をして、それから溜め息を吐くとどこか残念そうな不愉快そうな眼で私を見た。
でもやっぱり、きゅっと結んだ唇のせいでちょっと左の頬を膨らませたような表情が女の子みたいで可愛く見えてしまう。
けれどその可愛過ぎる怒り方でむしろちょっと胸が痛む。
(言い過ぎたかな…?)
「でもホントは見た目と裏腹に頼れる男だったりするでしょ?」
その言葉に先生は心底驚いたようで、可愛い頬のまま、眼をぱっちり見開いて私を見た。
ただでさえ大きな瞳が更に大きくなる。
「外国人さんに声掛けられて困ってる女子高生を黙って見過ごせない、そんな人…じゃないですか?」
先生は大きな瞳でちょっと宙を仰ぐ。
そして、
「あー…はいはい…」
と頷いて、
「春休みのアレ…君か。南条さんだったのか!」
と可愛らしく両手をぽんと打った。
「外国人に話し掛けられて困ってる人、結構多いからね、俺よく声掛けるんだ。お節介かもだけど、分かってるのに無視しても誰得って感じだしね」
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