7月~夏合宿

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「女の私から見ても憧れるような素敵な女の人。  そういう人と一緒になって、幸せになってくれたらいいな、と思ってるの。  私ね、先生が幸せでいてくれることを何より願ってるんだ。  私は先生のこと好きだけど…先生のために、先生が幸せでいるために出来ること、他に何もないから…」 「見てるだけなんだ?」  自分のサンダルの足元を見ながら揺花が頷く。 「そういうもの?」 「そういうもの。  だって…先生に迷惑かけたくない」 「迷惑かな?」 「先生と生徒だもん」 「そっか…」  先生と私も先生と生徒だけど、迷惑かどうかなんて考えたこともなかった。  そもそも私が先生にどうしたいのか、先生とどうなりたいのか、そんなことも考えたことないと思う。  この夏合宿だって、ただ先生の傍にいたい、先生を見ていたいと思って来ただけだった。  空に一番星が輝く。  私と揺花の間に海風が吹いた。  風が、今日は珍しくポニーテールに束ねた首筋を撫でて心地良い。 「戻ろ?暗くなってきた」  そう言って揺花が立ち上がる。 「うん」  私たちは玄関の引き戸を開けた。     *   *   *
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