僕が捨てた物語

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彼女と付き合い始めたのは1年前だ。 僕は趣味で小説を書いており、書いた作品などを小説投稿サイトに載せているのだが、投稿した小説をたまたま彼女が見てくれたのがきっかけだった。 彼女はサイト内で僕の作品に対する感想をよくくれたので、いつの間にか彼女とは頻繁にやり取りをするようになっていた。そして、彼女のことも徐々にわかってきた。 彼女は音楽をやっていた。 彼女はギターの弾き語りをやっており、オリジナルの曲などを書く際、歌詞のヒントを探すために小説投稿サイトを見るとのことだった。 彼女が近くに住んでいることもわかり、彼女のライブを見に行くことになった。 初めて見た彼女はステージ上だった。輝いていた。もちろん彼女の容姿もだが、それ以上に彼女がまとうオーラが光って見えた。 彼女のライブが終わる頃、僕は彼女に打ちのめされていた。 光り輝く彼女に、好きとかそういう類の言葉が陳腐に感じる程、僕の心は奪われていた。 それから彼女のライブを頻繁に見に行くようになったのだが、彼女も僕の他の作品を読んでくれるようになっていた。
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