番外編【瑞樹編】第四章

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彼女をそっとベッドに倒し、その身体に恐る恐る触れた。 首筋をなぞり鎖骨、胸元、逆の手で背中、腰へと手を滑らせながら布で覆われていない場所へひたすら唇を這わせていく。 耳、首筋、服の隙間から鎖骨、肩と彼女の肌を味わう。 その度に細く、高い声が彼女の喉から洩れる。 初めて聞くその声に、初めて見る表情にいちいち刺激されてしまう。 膨らみを手のひらに収めるようにして覆い、緩やかに動かしていくとその先端が変わったのが服の上からでも感じた。 彼女の身体の変化を感触だけでなく目でも見たくて、些か性急に身に付けているものを剥ぎ取った。 服越しではもう物足りない。 「綺麗…」 衣服を取り払った姿で恥ずかしそうに顔を逸らして、ベッドに横たわる彼女を見て思わず漏らした。 本当に、綺麗だ。 想像する事すら許されなかった彼女の身体。 手足や腰は細く薄いのに、女性らしい曲線はしっかりと丸みを帯びていてその魅惑的な姿にくぎ付けにされる。 両手はシーツを握り締めて、顔は横に背けて瞳は固く閉じられたまま。 細い脚の膝を少し立てて秘められた場所を隠す。 そんな仕草にも煽られて、自分の中で暴れる熱を制御するので精一杯だった。
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