11681人が本棚に入れています
本棚に追加
/328ページ
今だけは自分の事だけ考えて欲しいと懇願し、彼女の腰を両手で掴んで一気に彼女の中へ押し入った。
悲鳴に近いくらいの嬌声が響いて彼女の中が蠢く。
はぁ、はぁと短く息を吐き出しながら、自分の暴れ出しそうな感情をギリギリの理性で堪えた。
更ちゃんも「大丈夫」だといいながらも、少しの動きにも敏感に反応して苦しそうだ。
意識を他に逸らそうと、割れ目から小さな粒を見つけだして指で優しく摺り上げる。
他にも愛撫を施そうとする俺を彼女の細い手がそっと止めた。
「きつくて、だいじょぶです」
無理をしているのは明らかだった。
今動いても彼女はきっと快楽を拾えないだろう。
「…ねがい、もうっ」
涙で濡れた瞳で切望する。
その煽情的な表情に、心ごと射貫かれた。
「さら…」
無意識に零れ落ちた彼女の名前。
その名前を呼ぶだけで心臓が痛いくらいに心が締め付けられる。
彼女の全てが愛おしくて愛おしくて堪らない。
「更紗っ」
大きく腰を突き上げて、叩きつけるように奥に打ちつける。
自分の欲望が制御できなかった。
今この時間だけは彼女を自分のものにしたくて、自分を刻みつけるように激しい律動を繰り返す。
俺に力いっぱいにしがみ付く彼女の汗ばんだ素肌の感触が、独占欲が満たしてくれる。
彼女の名前を呼びながら、何度も何度も奥に熱を吐き出した。
最初のコメントを投稿しよう!