魔女と少年

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「魔女、魔女ぉ!」  少年が鼻息荒く、魔女の部屋にやってきた。 「な、なにかしら?」 「見て見てっ! ついに完成したんだよ! ほら、魔女のフィギュア!」  少年が差し出したのは、魔女にそっくりなフィギュア。それは素人が見ても精巧だ、とわかるほどの一品だった。そんなフィギュアを見つめ、魔女の表情は心なしか引きつっている。 「こ、これは……す、すごいわねぇ」 「でしょ、でしょ! 四分の一スケールなんだけど、魔女の全身のサイズを完璧に再現してあるんだ! もうね、会心の出来! って感じ!」  誇らしげにしている少年に対し、魔女は俯き、こめかみを指で押さえ首を軽く振っている。 「それより……」一つ息をはいた魔女が顔を上げ、言った。 「なんで私の全身のサイズ、完璧に把握しているのよ?」  少年は何を今さら、といった顔をしている。 「そりゃあ、長い間、魔女とお風呂に入ったり、一緒に寝たりしてたからねー。最近でこそ、一緒にお風呂入ったり、寝たりする事はないけど、魔女は体型とか昔から全く変わってないでしょ? 魔女の事なら何でも知っているよ!」  えっへん、と言わんばかりである。そんな少年に魔女は恐る恐るといった感じで聞いた。
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