第1話

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プロ野球ドラフト会議 第7巡選択希望選手 東京ヤクヒン 奥平剛志 〇〇大学  外野手 「やったなメジャー帰りの青山さんがいるヤクヒンだな。サインもらってくれよ。」 喜んでいるのは大学野球の思い出にプロ野球志望届けを出した波木凡策チームの控え投手である。                         ちなみに奥平はこのチームの主砲で神宮大会でホームランを打ったこともある外野手。 テレビでは奥平の紹介VTRが流れる。 この頃、ほとんどの球団は指名を終了している。 奥平の記者会見に移りはじめたその時、奇跡が起こる。 第8巡目選択希望選手 東京ヤクヒン 波木凡策 〇〇大学  内野手 あたりが静まり返る。 沈黙のあとアナウンサーが口を開く 「ちょっと待って下さいよ。この選手は手元に資料がありません。」 焦りを隠せず中継をつなげる。 「中継の野村さん。ちょっと奥平さんの記者会見ですが監督さんに変わってもらっていいですか?」 監督の岡山がアップで写る。 「私も驚いてまして。一番の驚きはポジションが内野手というところで…。」 それもそのはず波木凡策は内野手ではなく投手なのである。
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