第一章 『花びら落ちた』

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「……か、ちょう、できました」 「ありがとう、助かるよ」  苦しくても、声が出なくても、働かないわけにはいかない。  現在二十五歳、大学事務の仕事を始めて七年になるものの、実際大学に通ったことはなかった。  毎日学内では楽しそうな大学生達を沢山眺めながら、一人暮らしをしている大学すぐ近くのアパートに帰る。  元々私に期待をしてくれていた両親とは、最低限しか関わらないようになっていた。両親が見るからに冷たくなったわけではないが、ただただ、私はこうなってしまった自分を責めることしかできなかった。
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