111人が本棚に入れています
本棚に追加
/456ページ
入学した公立の中学では、学年で一番大人しかったと言っても、過言じゃない。
ピーク時より声は出るようになっても、普通の人に比べると、言葉が出るのに時間がかかってしまう。話したいのに、首を絞められている感覚で、喉から言葉が出ない。
変わらず友達はごく僅かで、その友達でさえ、実際陰では私のことを変に思っていた。
それでも私は縋りつくように、一緒にいてくれる人の傍を離れず、しかし周りは皆私を好奇な目で見ていただろう。
出席で返事が出ない。授業中当てられてもつっかえてクスクス笑われてしまう。縋りついた友達とも、まともに話せやしない。
中学も高校も、私の視界はいつも暗かった。
どうして普通にさえも生きられないのだろう、と何度嘆いたことだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!