第173話 出発

2/5
88人が本棚に入れています
本棚に追加
/1047ページ
「シャワー浴びよ。一緒に入る?」 「入らない」 「ミキとは一緒にお風呂入るの?」 「教えない」 「ちぇっ…」 つまらなそうにチョップされる。 気のせいか、杏子さんのテンションが少し高いような気がした。 若干だ。 当社比102%くらい…。 あまり時間がないので、手早くシャワーを浴びて、朝ご飯を食べる。 細々とした準備を整えて、と。 忘れ物がないか、ミキちゃんがしつこいくらい確認したけど、大丈夫なようだ。 「よし、じゃあ行こ」 「はい」 「星島、荷物持って」 「はいはい」 タクシーを呼んで、3人で乗り込んでマンションをあとにする。 10分ぐらいで絹山駅に到着すると、既にみんなそろっていた。 100mに出場する、千晶さんと新見と加奈。 それから、リレーに出るちょんまげ真帆ちゃん。 本間君と水沢さんもいる。 今回はなんと、絹山大学から6人も出る。 OBを入れると9人だ。 黄金期と言っていいだろう。 「おいーっす」 「おはようございます」 「おはようございます、社長」 「よ、日本一!」 朝からよく分からないテンションだけど、杏子さんがうりっとふんぞり返る。 第1回日本スーパーグランプリの大成功で、杏子さんは鼻が高いようだ。 見送りが、何人か来ていた。 聡志と、ナニワのあきんど知香ちゃん。     
/1047ページ

最初のコメントを投稿しよう!