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教室の落書きのある机をなぞって
誰もいない廊下を歩く。
理科室のホルマリン漬けは興味を持った。
音楽室のベートーヴェンたちは怖かった。
体育館のボールは痛いから好きじゃなかった。
学校で好きな場所は、屋上だった。
誰にも邪魔されない静かに過ごせるところ。
私は、屋上の柵を乗り越え、立つ。
吹き抜ける風が気持ちいい。
ここを卒業したって何も変わらない。
だって、世界が変わらないから。
私は、最期に呟く。
この優しくない世界に
「さよなら。」
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