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が――。
それは、唐突に終わる時がやってきた。
忘れもしない、あれは僕が小学五年生の夏休み。
“僕の身長が急激に伸びた”のだ。
当然、体と自転車のサイズが、どうにも合わなくなった。
そこで僕は、泣く泣くその自転車を手放すことにした。
小さな傷や凹みが、ところどころ刻まれた、かけがえのない相棒であるソイツを……。
最後に、これまで共に過ごした感謝を込めて隅々まで綺麗に磨き上げ、永遠の別れを告げた。
それから、僕は体に合った自転車をまた両親に買ってもらい、それからはその自転車が僕の新しい相棒になった。
そうして、いつしか僕は、あの最高の相棒だった青い自転車のことを忘れた。
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