仮面の自分

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「それより課長、この前のデザイン案と資料、まとめときましたよ、後は最終確認の校正まで進めときますよ」 「おお! まじかー、助かるよ」  柳本は俺とチームを組んでいた、外回りが多い俺と組まされて自分の仕事が増えるのにもかかわらず、愚痴一つこぼさない、そんな柳本に感謝していた。 パソコンの画面を見る限り、これ以上は仕事が入りそうにない、久しぶりにゆっくり出来ると胸をなでおろした。 「なぁ、柳本、お前最近の若者達をどう思うよ」 「あー、永本とかの事ですか?」  彼もひと段落ついたのか、背もたれにグーッともたれかかり伸びをしながら言った。 「ああ、あいつら、少し言ったぐらいで俺をパワハラ上司だとか言って、言う事を聞こうともしないんだよ」 「まあ、まだチームを組んでいないにせよ、あの業務態度は目に余るものがありますよね、課長は課長でパワハラ上司にパワハラされてますし」 「そうだよ、ったく、俺の気持ちにもなってくれって感じだよ」  頭を抱えると、スマホが鳴る、家からのメールだった。 『明日は休めそう? 旅行の準備ほとんど終わったよ、楽しみだね』 「あーそうだったよ、明日から泊まりで旅行だったー」 「旅行ですか? いいですねー」     
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