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(早くどっか行け!)
権力に弱いのかあたふたしながら営業は去っていく。
(──勝った!!)
高智さんを守れた!
胸糞悪いのは変わらないけど!
高智さんを見ると黙々と作業している。
いつも笑ってる高智さんが、心なしか落ち込んでるように見えた。
こんな時、なんて言葉をかけていいのかわからない。
そもそも触れていいのか悪いのか。
人によって答えが違うからもっと迷う。
(オレが……)
もっと頼りがいのある男だったらよかった。
そしたらこんなふうに、高智さんがからまれて嫌な思いをすることもなかったかもしれない。
もっとカッコよく守れたかもしれない。
(三十一かぁ)
十歳差。
これは絶対、相手にされない。
しかもこんなにできた人を男が放っておくとは思えない。
これはもしかしたら。
始まる前に終わるかもしれない。
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