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「手が空きました~!」 のほほんとした高智さんの声。 「何しましょうか!」 高智さんの持つ穏やかな雰囲気が良い意味で空気をぶった切って、吹き飛ばしてしまう。 (やばかった……) 怒鳴り返してしまうかと思った。 「おお、あっち終わり?」 「はい! 終わりました!」 「じゃあ、ここ頼むわ」 「はーい」 高智さんは出荷予定の伝票と商品を確認して、さくっと梱包した。 (速いし、的確で、丁寧) 無駄のない動きに見入ってしまう。 (なんだろ) 一つ一つ速いだけじゃなくて流れるような合理的な動き。 とにかくオレと違うって言うことがはっきりとわかる。 「おい伊月! ボサッとするなよ!?」 おっといけない。 「はい!」 仕事をしよう。 「お前返事はいいけど、しれっとやらかすからな。そんなんで学校大丈夫なんか?」
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