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夢で終わらない
あぁこれは、いつもの夢だ。誰にでも、1つくらいあるだろう。
同じような夢。疲れた時に見る夢。誰かを殺したいと思っている時に見る夢。
窓も、ドアも、部屋の調度品がなにもない部屋。上も下もわからない白い部屋に私が全裸で居る夢をよく見る。
私は、部屋の中を抜け出すために走りまくる。床だけでなく、壁や、天井を使って、走りまくる。走って、走って、走って、疲れ切って、倒れる。最後は、なぜか部屋から抜け出す。
その時に、必ず振り返ってしまう。白かった部屋が、真っ赤に染まったシーンで目をさます。
目を覚ますと、私の目の前には、いつもの天井が広がっている。白く塗った天井だ。
そうこれは夢。私が見ている夢なのだ。
今日も、現実が始まる。
私の事を殴るしかしない。父。
私の事を、父に殴らせる事で、自分が逃げる事しか考えない。母。
私の事を、汚れた物でも見るように蔑む。妹。
私の事など存在していないかのように振る舞う祖父母。
これが私の現実だ。
学校に行けば、私は存在しない人間として扱われる。
学校はましだ、存在しないだけだからだ。1人で過ごせるだけましな時間だ。
休み時間は、私の安らぎの時間だ。
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