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受話器をあげ、話をし出した沢田課長だと思われる男性。
斜めバンクの前髪、キリッとした瞳に通った鼻筋。
今流行りのイケメンな塩顔。
何かの資料を広げながら電話をしていた沢田課長とおぼしき人物が、ふと顔をあげこちらを見た。
じっとりと脇汗が滲むような気がした。
目があう。
特に表情を変えずに、じっと目を逸らさずに電話を続けている。いたたまれなくなり、私から先に目を逸らした。
再び顔を上げてみると、少しずつだが、沢田課長の眉間には皺が刻まれていき、受話器を置く頃には、皺がかなり深くなっていった。
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