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夢捕り網と呼ばれるものを構えたまま、僕は自分の悲鳴を置いていく程のスピードで落ちていった。
落ちて行く先の方を見ていると箒に乗った人がこちらを見上げていたけれど、網が頭に被さった途端に消えていた。
その後も、絨毯に乗ったおじさん、羽根の生えた自転車、蝶のような羽根の妖精、鰻屋さんが持っているうちわで空を飛ぶ腹巻肌着姿のおっさん等々大小合わせて10人ほど網にかかると消えていきそのまま落下を続けた。
僕の家の屋根が見えてきた時もうだめだと目をつぶった時横から何かが僕の体を捕まえてそのままふわりと地面に下ろしてくれた。
目を開けると、赤いローブにとんがり帽子の典型的な魔女の格好をした僕と同じくらいの女の子が箒を持って立っていた。
「ちょっとアンタ、虫捕り網で空飛ぼうなんて何考えてんのよ! アタシが気づかなかったらアンタどうなってたかわかる!? しかもアンタ現実世界の人間じゃない! ますます馬鹿さ加減が底なしだって確定したじゃない」
と、かなりきついことを言われたが、助けてもらった手前、反論できない僕だった。
「タフィー、どうしたんだい急に早く飛び出して?」
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