寝なきゃ見れないものがこちらにやってきて

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空から箒に乗った、黒いローブととんがり帽子にかぎ鼻といういかにも魔女という感じのおばあさんが、女の子の隣に降り立った。 「聞いてよアンゼリカばあちゃん。この人間が虫捕り網で空飛ぼうとして落っこちてたから助けてやったのよ」 アンゼリカと呼ばれた魔女は僕のことをジロジロ見た後、大きなため息を吐きながら首を横に振った。 「坊や、残念だけどアンタは箒で飛ぶのは諦めたほうがいいよ。アタシは人相学を習ったからよく分かるよ。早く目を覚ましなさいな」 ここまで言われるとは思わなかったけれど、目を覚ませって冗談で言ってるのかな。 「あの、僕とっくに起きているんですけど……」 僕の言葉に目を点にする魔女二人。もしかしてこの人たちここが現実の世界だって気付いていて無いんじゃ……。 「おお、無事だったかあきら」 僕の目の前に黒い丸の馬鹿野郎がゆったりと降りてきて手をひらひらと振っているのを蚊を潰すように両手で叩いた。 「この野郎! よくも僕を落っことしといてヘラヘラしてるな! このまま長い丸になるまで潰してやる!」 本気でそうしようとした僕の手をスポンとくぐり抜けてドウドウと馬を沈めるように両手を前に出しなた。     
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